禁煙外来
皆さまご存知でしょうか
近年の中国での大気汚染、PM2.5に関しては、良く耳にすることと思います。PM2.5は微小粉塵のことで、物が燃えると発生します。つまり、PM2.5はタバコの煙に多く含まれるのです。中国で赤色警報が出たときのPM2.5の濃度が250~300㎍/㎥でした。
タバコを吸われる方のいる喫煙所は、なんと600~700㎍/㎥もあるのです。喫煙所は、ニュースで騒がれている中国よりもはるかに危険な場所なのです。
意思の力だけでは禁煙は困難
タバコは、ニコチンの作用による脳や身体への快感(身体的依存)だけでなく、ホッとする、スッキリするといった気持ちの上での依存(心理的依存)が重なっているため、意思の力だけでは、なかなかやめることができません。当院では、主に飲み薬(内服薬)やと生活指導を駆使した禁煙のお手伝いをしております。
タバコは、「受動喫煙」により、喫煙者以外の周囲の人の健康にまで、悪い影響が及ぶことが知られています。そして、「受動喫煙」の影響を一番受けやすいのは、同じ家で生活しているご家族でしょう。
あなた自身だけでなく、大切なご家族やお子さまの健康のためにも、禁煙をお勧めいたします。
健康保険等で受けられる禁煙治療
2006年から「健康保険」が適用されるようになりました。禁煙治療を健康保険で受けるためには一定の要件*があり、1回目の診察で医師が確認することになっています。
*健康保険等で禁煙治療を受けるための要件
- ニコチン依存症を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
- 1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上
※例えば、25歳から1日15本喫煙している45歳の人なら、15(本)×20(年)=300であり、対象となります。
※2016年4月から35歳未満にこの要件がなくなりました。 - すぐに禁煙したいと考えていること
医師から受けた禁煙治療の説明に同意、説明内容に納得された時は、文書で同意します(サイン等)。
※過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことのある方は、前回の初診治療から1年が経過していない場合は、保険診療が受けられません。
ニコチン依存症を診断するテスト(TDS)
- はい:1点
- いいえ:0点
- Q1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまう事がありましたか。
- Q2.禁煙や本数を減らそうと試みて、出来なかった事がありましたか。
- Q3.禁煙したり本数を減らそうと試みたときに、タバコが欲しくて欲しくてたまらなくなる事がありましたか。
- Q4.禁煙したり本数を減らした時に、次のどれがありましたか。
- イライラ
- 眠気
- 神経質
- 胃のむかつき
- 落ち着かない
- 脈が遅い
- 集中しにくい
- 手のふるえ
- ゆううつ
- 食欲または体重増加
- 頭痛
- Q5.上の症状を消すために、またタバコを吸い始める事がありましたか。
- Q6.重い病気にかかったときに、タバコは良くないとわかっているのに吸う事がありましたか。
- Q7.タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸う事がありましたか。
- Q8.タバコのために自分に精神的問題*が起きているとわかっていても、吸う事がありましたか。
- Q9.自分はタバコに依存していると感じる事がありましたか。
- Q10.タバコが吸えないような仕事や付き合いを避ける事が何度かありましたか。
(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。
健康保険等による禁煙治療の流れ
標準的な禁煙治療では、「12週間にわたり、合計5回の診察」が行われます。
- 通院初回
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- 健康保険等で治療が受けられるかどうかの依存度をチェック。
- 呼気に含まれる代表的な有害物質(一酸化炭素)の濃度を測定。
- 相談しながら禁煙開始日を決定し、「禁煙宣言書」にサインします。
- 禁煙補助薬の特徴と使い方をご説明いたします。
- 禁煙開始
- 禁煙補助薬の内服開始から一週間後に禁煙を「スタート」します。
- 通院2~4回目
- それぞれ初診から2・4・8週間後の受診日になります。
呼気一酸化炭素濃度の測定、および禁煙状況のチェックとアドバイスを受けます。 - 通院5回目
- 初診から12週間後(約3ヶ月後)の最後の受診で、これで禁煙治療は「完了」です。
前回までと同様に呼気一酸化炭素濃度の測定を行い、以降、禁煙を続けていく上でのアドバイスを受けます。
皆さま、頑張って、禁煙を成し遂げましょう!
精一杯、お力になれるよう努力させていただきます。